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2026.05.25
医院開業前の診療圏調査、診療科によって何が違うのかをわかりやすく解説
医院開業を検討する際、多くの医師が重視するのが「立地」です。しかし、単純に人口が多い場所を選べば成功するわけではありません。開業を成功させるためには、事前に「診療圏調査」を行い、自院の診療科目に適したエリアかどうかを見極めることが重要です。
特に群馬県周辺では、地域によって人口構成や患者ニーズが大きく異なるため、診療科目ごとに見るべきポイントも変わってきます。今回は、内科・小児科・整形外科を例に、診療圏調査の違いについてわかりやすく解説します。
1.そもそも診療圏調査とは?
診療圏調査とは、開業予定地周辺の人口や年齢構成、競合医院数、交通状況などを分析し、どの程度の患者数が見込めるかを調査することです。
開業コンサル会社や金融機関から資料を提示されるケースもありますが、数字だけを鵜呑みにするのではなく、「なぜその数字になるのか」を理解することが大切です。
例えば、昼間人口が多い地域でも、高齢者が少なければ整形外科には向かない場合があります。一方で、小児科では子育て世帯の流入状況が大きな判断材料になります。
2.各診療科目における診療圏調査で重要なポイント
◆内科の診療圏調査で重要なポイント
内科は比較的幅広い年代が対象となるため、まずは総人口が重要になります。
ただし、単純な人口数だけではなく、
・高齢化率
・生活習慣病患者の多い地域性
・企業や工場の有無
なども確認したいポイントです。
例えば群馬県では、前橋市や高崎市のように人口が集中しているエリアは一定の需要がありますが、その分競合も多くなります。
また、会社員が多い地域では、仕事帰りに受診しやすい立地や駐車場の広さも集患に影響します。
◆小児科の診療圏調査で重要なポイント
小児科は「子どもの人数」が最重要です。
そのため、
・0歳〜14歳人口
・新築住宅の増加状況
・保育園や学校数
・子育て世帯の流入
などを重点的に確認します。
特に群馬県では、郊外型住宅地の開発が進む地域では若いファミリー層が増えるケースがあります。現在の人口だけでなく、「今後増える可能性があるか」まで見ることが重要です。
また、小児科は口コミの影響も大きいため、競合医院の評判や予約システムの有無なども調査対象になります。
◆整形外科の診療圏調査で重要なポイント
整形外科では、高齢者人口の割合が非常に重要です。
具体的には、
・65歳以上人口
・車移動のしやすさ
・駐車場台数
・リハビリ需要
などを確認します。
群馬県は車社会のため、アクセスの良さは特に重要です。駅前よりも幹線道路沿いのほうが有利になるケースも少なくありません。
また、整形外科はリハビリ通院が継続する傾向があるため、「通いやすさ」が患者数に直結します。
3.診療圏調査の手順
①開業地を決定する
診療圏を設定するために、まずは開業する候補地を決めます。ただし、候補地は最初から一つに絞る必要はありません。
はじめは、開業を考えている医院のコンセプトに合わせて、いくつか候補地を挙げてから調査する方が、より良い開業地の選択に繋がります。②診療圏を設定する
開業地を決めたら、次は診療圏を設定します。診療圏の設定理由は、訪れる患者さんがどの範囲から来るのかを予測するためです。
診療圏の設定基準は、診療科名によっても異なりますが、主な設定方法は以下の2つです。
・同心円の距離で設定(同心円の距離=半径1㎞前後)
・車による到達時間で設定(周辺に住んでいる方のほとんどが車移動と仮定)③物件や診療科目など競合クリニックを調査する
競合クリニックの中でも、「評価の高いクリニック」「最新の医療機器を備えているクリニック」「閉院間近のクリニック」など、様々な集患状況のクリニックが存在します。
そのため、診療圏の競合クリニックを調査するのであれば、クリニックが持つ現在の集患力を把握しておかなければなりません。④世帯特性を調べる
世帯特性を調査する理由は、実際に開業した後、安定した集患が長く見込めるかどうかを知るためです。各地域により「高齢者が多いのか」「ファミリー層が多いのか」「単身者が多いのか」など、世帯の特性はそれぞれ異なります。●開業予定地とエリアの相違
・小児科を開業予定:ファミリー層が多いエリア
・認知症などの専門的な治療が必要:高齢者が多いエリア⑤推定できる患者数を計算する
推定患者数を算出する方法は、以下の式によって割り出します。
エリア人口×受療率÷(科目別競合医院数+1)=推定患者数高度な治療や特別な処置が必要な患者以外は、駅や自宅からの距離を第一条件にクリニックを選ぶ可能性が高いです。そのため、推定患者数だけでなく、駅からの距離や地域の特性など、多角的な調査を進めることがポイントです。
4.診療圏調査で気を付けるべきこと
診療圏調査では、予測患者数が表示されることがあります。しかし、その数字はあくまで統計上の参考値です。
実際には、
・競合医院の評判
・院長の専門性
・スタッフ対応
・駐車場の使いやすさ
など、数字に表れない要素が経営に大きく影響します。また、診療科によって必要な立地条件は大きく異なります。「人口が多いから安心」という考え方は危険です。
開業後に後悔しないためにも、自院の診療方針やターゲット患者層に合った診療圏調査を行うことが重要になります。
医院開業は、一度スタートすると簡単に移転できるものではありません。だからこそ、開業前の診療圏調査を丁寧に行い、長期的な視点でエリア選定を進めていきましょう。
<参考文献>
・診療圏調査とは?やり方と注意点おすすめアプリ5選を紹介|WEB DOCTOR
投稿者プロフィール
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開業医支援センターの代表税理士、医業経営コンサルタントの向田と申します。約15年間で50件以上のクリニックの開業と経営支援をサポートしてきた実績を活かし、ドクター皆様のお役に立ちたいと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
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